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2012年02月25日

ラズベリーと合唱団と私

ある日曜日の朝でした。

私と姉は母に連れられ、とある住宅街にある大きな建物の
二階の階段を昇っていました。
どこに行くのかも告げられず、ただ手を引かれて歩く二人。

ドアが開かれ、たくさんの子供がいる室内。
まだ小学校の低学年だった私は、姉の背中に隠れながら
様子を伺っていました。
母はなにやら事務的な手続きを進めている様子。

いったい何が始まるの?

それから先生らしき人がやってきて
お名前はなぁに?
こたえた姉に、あなたはソプラノ。
私には、あなたはアルトね。
どうやら、ここはみんなで歌を唄うところらしい。

姉と引き離されることを予感した私は号泣。
しかたなく姉は私と同じアルトのパートにされた(笑)

だいぶあとでわかったことでしたが、私たち姉妹は
地域が主催する子供だけの合唱団に入ったのでした。
入らされた?(笑)

それから毎週末、子供たちが集合して練習の日々。
それはけっこう厳しいレッスンでしたが、
私たちは訳がわからないことが幸いしてか、
どうにかがんばってついていけてる状態。

思えば、母の作戦にまんまとひっかかったのかも
しれません。

そこからは、可愛い制服を作ってもらったり、
発表会という晴れの場にも出れたり、
徐々に楽しくなっていったのでした。

そんなある日、チェコスロバキアという国(現在のチェコ)の
子供合唱団とのコラボの公演会が開かれることに。

どんな内容だったかはあまり覚えていないのですが
最後の懇親会で、金髪のチェコスロバキアの女の子が
濃いピンクのキャンディーを手のひらいっぱいに
ぱらぱらと積んでくれました。
初めての色と、味わったことのない香りに甘酸っぱさ。

これもだいぶあとに、ラズベリー味だったことが
わかりました。

それからラズベリーは、子供時代の不安とあこがれの象徴。
それは、手が届きそうで届かない果実だった。

もう、子供ではない今、ラズベリーは私の支配下にあります(笑)
こんなものも作れたりもする。
ラズベリーとチョコレートのマフィン。

ラズベリーと合唱団と私

食べるたび、なつかしく、想い出すあのキャンディー。
なぜか、これは誰にも話したことのなかったストーリー。
長々と、ありがとうございました。


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Posted by まさこジャクソン at 01:43 │マフィン